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資源としての方言? [香川]

田舎に帰ると、方言を取り上げる企画をよく目にする。
地元に住んでいた20年ほど前よりも、見かける頻度が増えているように思う。

たとえば、新聞。
「さぬき弁百科」っていう記事があった。
(2014年3月5日付『四国新聞』より)

shikoku20140305.jpg

ん……“すいとる”に「好きである」と「空いている」の「意味がある」、と?(同音異義では?)
でも細かいところはともかく、くすっとなるようなカラーイラスト付きで、この方言の話者でない人にも分かりやすく紹介されている。

こんな、地元レシピ紹介冊子でも、

jimotorecipe1.jpg

魚の方言名が紹介されている。ちなみにこれも同じ地元新聞社が作っている。

jimotorecipe_geta.jpg

私は高校卒業までしか地元にいなかったこともあり、魚の名称などこのへんの方言にはかなり疎い。
シタビラメとゲタって聞いたことある気もするけど同じ魚だったのかー、勉強になる。

新聞にせよ、レシピ冊子にせよ、標準語で書かれた文章の中でぽつりと方言が紹介される。
方言は標準語に対して少数派の言語ということになる。

少数派の言語をどのように扱うか。ざっくり3つの対応に分けて考えられると言われる。

“問題” → 多数派言語に同化させようとする
 (為政者が少数派言語の存在を非効率的でやっかいなものとみなし、消滅を是とする)
“権利” → 少数派言語を保持しようとする
 (話者が少数派言語をアイデンティティの一つとみなし、その保持を権利と考える)
“資源” → 少数派言語の活用ないし復興をめざす
 (少数派言語が活力を失って、希少価値を認められるようになる)

地方新聞を目にする人が全員地元方言の話者だったら、方言の紹介は記事にならないだろう。
実際に記事になっているというのは、その方言が相対的に力を失って、わざわざ記事にするだけの意義を持つようになっているということかなと思ったりもする。
相対的に力を失ったことの中身としては、オンラインを含む読者層の拡大だとか、伝統方言話者の減少だとか、考えられそうではある。未検証だけど。

しかしそれにしても、さっきのレシピ本、こんなのもあった。
地方名は“カキ”(または“ヒロシマガキ”)で標準名は“マガキ”……これはちょっとズルっぽいかなあ(笑)

jimotorecipe_kaki.jpg

小ネタ失礼いたしました。(そう、この記事を書こうと思ったきっかけはこれ)

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