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津島神社のお祭り

2013年8月4日

故郷の近くにある、 津島神社 のお祭りに行ってきた。
たまたま、帰省がこのお祭りの期間(8月4日、5日)に重なったため、ずいぶん久しぶりに行くことができた。よく覚えていないが、子供のとき以来だ。

津島神社本殿は海岸からほんの少し先にある小島にあり、祭りの2日間だけ、橋板がかけられて渡ることができる[写真上段左]。普段は橋脚と欄干だけなので、通れない(地元の人[70歳前後]の話では、昔の子供たちは欄干を伝って勝手に島に渡ったりしていたとのこと。それで潮干狩りをしていたそうな)。

JR予讃線には、祭りの2日間だけ、「津島ノ宮駅」が設置され、普通列車が臨時停車する。人気が上がっているようで、1年に2日しか使われない駅舎は、ゆるキャラ風のラブリーな外観に仕上がっていた[写真下段中]。

午後5時頃、真夏の日がようやく傾く中、津島ノ宮駅に降りた。普段は下から見るばかりの橋、通過するばかりの駅に立つと、特別感がある。駅から橋への参道には、この日だけの屋台が並ぶ[写真下段左]。祭りのクライマックス、夜の花火大会には少し間があり、まだ混み合うほどの人出にはなっていなかった。

津島ノ宮は、子供の守り神として地元で有名だ。小さなお子さん連れの家族が続々と橋を渡り、本殿[写真上段右]でご祈祷をしてもらっていた。
地元の人の話によれば、元は子供と家畜の神様だったのが、農家に家畜(耕牛など)がいなくなるとともに、子供の守り神に特化していったという。
そういえば、以前、京都で、八坂神社(祇園)に元々祀られていた牛頭天王がいつの間にか姿を消していったという話を聞いた。なにやら、重なる。

Tsushima-fes2.jpeg

懐かしい磯の香りの中、海風に吹かれてお参りをし、帰りの列車の時間まで浜辺に降りて、静かなひとときを持つことができた。帰ってから このお祭りのウェブサイト を見ると、お祭り期間だけかかるあの橋を、近頃「しあわせ橋」とも呼んでいるという。確かに、ほんわり、しあわせ気分をもらったかな。

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今回調べた言語について、地図など

先月成都でやったフィールドワーク、主に調べてきたのは、四川省雅安市宝興県で話されるギャロン語の方言です。地図をこのブログに貼り付けられることに気付いたので、早速やってみました。この方言を話す人たちの住む場所、こちらです。

ギャロン語ヨチ方言



あと、道孚県(チベット語でタウ、スタウ語でスタウ)の中心地より少し上流で話されるスタウ語方言の話し手もいて、忙しい合間を縫って2日間ほど相手をしてくれました。この方言の話される場所は、こちらです。

スタウ語マズル方言



このスタウ語について、黄布凡という方の書かれた文法概説に出てくる、すてきな例文があります。「私は茶碗に毒を入れたのを忘れて、その毒を飲んだ(飲んでしまった)」という例文です。このとき、「私は○○を飲んだ」と普通に言うのとは、「飲んだ」の形が違うというのです。つまり、意図的か非意図的かで動詞の形が異なるという話です。
これ、(下に出てくる)ダパ語にも似た現象があります。

で、今回、せっかくなのでギャロン語で同じ例文を聞いてみました。
「私は毒を飲んだ」
「私は茶碗に毒を入れたのを忘れて、その毒を飲んだ」
……いきなり、縁起でもない文を聞いて、ごめんね。

結果、見事に、全く同じ形の動詞が出てきました。
ギャロン語は、この、意図的かどうかを動詞の形で区別することはないんです。
一方で、直接知ったか間接的に知ったのかを区別する形式はあるので、次の2つの状況では動詞の形が異なります。

「ツェリャンは茶碗に毒を入れたのを忘れて、その毒を飲んだ(私はそれが毒だとは知らなかった)」
「ツェリャンは茶碗に毒を入れたのを忘れて、その毒を飲んだ(私はそれが毒だと知っていた)」

場所も系統も近いけど、けっこう違う、と、確認できた話……でした。

さて、ダパ語を母語とする人も一人いるのですが、今回は忙しい時期に当たってしまい、1回会っていくつか質問しただけになってしまいました。また、この方は、実家でもあまりダパ語を話すことがなく、細かいところは自分でも自信がないとのことで、完全な話し手というわけではありません。この方の方言の故地はこちら。

ダパ語ダト方言



2001年頃から継続して調べていた、ダパ語メト方言(もう少し大きく括るとトゥニ方言)については、道孚県まで行かないと話し手に会えず、道孚県あたりは現在外国人が行くことができない状況なので、ここ数年、ほとんど教えてもらえていません。協力者さんたちが元気なうちに、また行きたいなあ……

ダパ語メト方言(トゥニ方言)



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成都(2013年5月):人と街

(今回見てきた人と街についての雑感メモです。調査については日を改めて書こうと思います。)

仕事を離れて1か月あまり。
行けるときに行こう、ということで、成都へ行ってきた。
主目的は、四川省西部の言語を教わることだが、当該地域はここ数年外国人の立ち入りが制限されており、直接行くことができないので、成都に住む母語話者に教わるというのを続けている。

成都は、2000年以降、毎年行っている街だが、ここ10年の町並みの変化はすごいものがある。去年9月は市中心部のぴかぴかの夜におどろいた。

chengdunight.JPG

今は、地下鉄の工事が進められている。
いつもお世話になっている西南民族大学の目の前が、ちょうど、工事中だった。これが3号線の一部らしい(1号線は去年から営業運転が始まっており、2号線もそろそろ開通した頃)。

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数年前には、「街は変わっても人は変わらないね~(良くも悪くも)」なんて笑っていたものだが、今回は、人も変わってきているように感じることがあった。

twitterにも書いた、スマートフォンで微信 (WeChat)。今回会った人たち(調査対象地域出身者=ほとんど“チベット人”、および、その周りの漢人たち)を見る限り、チベット語が使える iPhone の普及率がすごい。そして、ちょっとした合間にさっと出して画面を触る。

smapho.JPG

スマートフォンに限らず、「いい」と思うものがあればさっと手を伸ばす、そんな活力(もしかしたらバブル指向)を随所に感じた。たとえば、高級ホテルの中にできた日本料理店。華美すぎず、隅々まで清潔感があり、しっとりと落ち着いた雰囲気の店内。店員さんはほほえみながら柔らかく上品な口調で対応してくれる。「この店は静かでいいよね」と、招待者(高収入の漢人)が言い、主賓のチベット人(この方も高収入)も同意していた。同席した一人は、生まれも育ちも四川の人だが、「わたし、鰻が大好き」と、全く日本風の味付けの蒲焼きをぱくぱくと食べていた。「中国人は賑やかなところで豪快に食べるのが好き」「中国では細やかなサービスによる付加価値は大して好まれない」「四川人にとって味付けは麻辣(痺れる辛さ)じゃなきゃ」といった先入観はもはや古いのかもしれない。少なくとも“セレブ”な人たちは新しい価値を認め、求め、手に入れているらしい。

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四川省内のチベット地域出身の学生は、“チベット人”ではあるが、「両親世代も、私たちも、普段お寺にお参りするということはないし、お経も知らない。地元のお寺の宗派もよく分からない」「実はチベット料理より四川料理の方が好き」「大学進学までチベット文字を習ったこともなかった」という。
これはもちろん、ここ数年の話ではなく、何十年かの変化。それでも歴史上十分に急激な変化には違いない。

四川の人々が持つ、のんびりと温かい空気は変わらない。この人と街の変化は、日本など遠方から訪れる人にとってはむしろ過ごしやすさにつながるくらいだろう。一方で、疾走して遠ざかる人を見るときのような、頼もしさの陰の寂しさやら不安やらを感じないでもなかった。


※本文中、引用符付きで“チベット人”としたのは、ギャロン人・スタウ人・ダパ人等、言語文化的にはチベットと区別すべきだが民族アイデンティティがチベット人である人々(チベット文化圏の人々)を含む、広義のチベット人を意味します。

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ちりそめの桜

青空に桜、というのを、やっと見ることができた。と思った。

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花曇り

枝垂れ桜と染井吉野が仲良く見頃@立川

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荷造りその一

やっとここまで……。

ここまでの経緯や所感についてはいずれ落ち着いたら書きたいところですが、
ともかく、今日、職場の身辺整理がだいたい何とかなりました。
学生さんが手伝ってくれたのだけど、その学生も私も腰痛持ちという中、がんばりました。

自分史上最大限いろいろなものを手放したつもりが、まだまだたくさんあるなあ……。

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送別会

友人宅で総勢20名のパーティー♪

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卒業し日本で就職した留学生たちにも再会できた。

彼らは「アジア人財資金構想」で来日した、中国の一流大学出身の学生たちだった。
修士課程から日本の国費奨学金を受けることができ、日本企業への就職がサポートされるということで、プロジェクトの3年目、4年目には非常に優秀な学生たちが来るルートができ、日本における理工系の人材不足とも重なって、次々に一流自動車企業・関連企業に就職していった。
ちょうど、その頃の学生たちだ。
その後、このプロジェクトの国費による資金援助は終わり(事業仕分けで1年短縮)、彼らのような学歴の学生がうちの勤務先に来ることはなくなり、また、留学生への日本語サポート体制も一気に縮小されたのだけど。
(もちろん、出身大学がどこかで人物が決まるとは思わない。でも学生としてみると彼らは確かに優秀だった。日本語習得に対する姿勢もすごかった)
彼らに出会えたことは、いい体験だったなと思う。

「元気です」
「春節に2週間の休みを取りました!」「そんなことできる会社は少ないと思います」
「実は入籍しました」「えーっ写真見せて!」

学生時代以上に生き生きしている姿に再会できたことに、感謝。
またどこかで!

おまけ:持参物(がんばった)↓
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(覚え書き)成都の本屋

成都の本屋事情について、覚え書きにしておこうと思っていたのだが、日中関係のごたごたが気になって書きそびれており、今更ながら。ただし、少数民族(特に言語に関わるもの)関係の本が手に入ると期待されるところで、自分の最近行ったところ限定。

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「来日公演中止」の報に思ったこと。

政治が絡む発言はするまい……と(最近わりと)思っていたのですが、

「中国西南秘境の声 雲南省プーアル少数民族歌舞来日公演」が中止になった
http://www.toho-shoten.co.jp/toho/saiji12-041.html

とのお知らせを見て、思い出したことなどを、少し。

中国の少数民族の知人がいます。
今回話題にするのは、中国政府による民族分類では「チベット族」ですが、

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四川にて

夏の言語調査、今回は様々な制約があり、成都で複数の協力者と進めています。

都市部でおこなう調査は、協力者が忙しくてまとまった時間が取りにくいのが普通です。
わざわざ成都まで出てきているのは、何らかの目的がある人たちで、商売をしていたり、学生だったり、田舎から出てくる人から頼られたりの日常を送っています。
彼らの地元に比べて、暇な協力者を探すことがはるかに難しいです。

その分、複数の地方出身者に調査票形式で質問することができるということもあります。

それで今回、AさんとBさんとCさんの空き時間を聞いて、調整して会おうとしているのですが、協力者に急な用が入ることも多く、結果的に誰にも会えなかった時間も多くて、あまり良い例とは言えません……

それでも、それぞれにこの言語調査の意義を理解して、なるべく協力しようとしてくれるので、得がたくありがたい協力者たちです。

こちらも、会えない時間に次の調査の準備をして、濃密な調査ができるよう工夫せねばと思います。

そんな状況下ですが、タウ(道孚)で話されるスタウ語の、新しい方言を始めることができました。
忙しい合間を縫って相手をしてもらっています。

この言語もなかなか音声が複雑な方だと思います。

雑談で、
「チベット語話者から、“おまえたちの言語は、どういうことだ、『ミルク』『はしご』『小麦粉』『種』が4つとも同じじゃないか”って言われるの。あの人たちには同じに聞こえるんだね」
という話を聞きました。
(左から順です↓)

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これは(丁寧に発音してもらったおかげで)良かったのですが、調査する中で、聞く→発音してみる→違うって言われる、を、何度も何度も繰り返す語彙もたくさんあります。
不器用な目と口だけでは追いつかず、目も総動員で、唇の形はどうか、舌は上がっているか下がっているか、協力者の口元を凝視しながら聞きます。

「その発音は違う」「また違う」と何回でもきっちり言ってくれる協力者、これもありがたいことです。
こちらも「もういいよ」とあきらめさせる前にちゃんと真似できるようにならなければ。

成都は発展著しい町で、来るたびに変化しています。
今回は、西南民族大学の門の横にファミマができていました。
一方で、路地の緑は以前と変わらず濃く、しっとりのんびり落ち着いています。

chengdu_famima.jpg

chengdu_green.JPG

今回も、残された期間はあとわずか。


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