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四川にて

夏の言語調査、今回は様々な制約があり、成都で複数の協力者と進めています。

都市部でおこなう調査は、協力者が忙しくてまとまった時間が取りにくいのが普通です。
わざわざ成都まで出てきているのは、何らかの目的がある人たちで、商売をしていたり、学生だったり、田舎から出てくる人から頼られたりの日常を送っています。
彼らの地元に比べて、暇な協力者を探すことがはるかに難しいです。

その分、複数の地方出身者に調査票形式で質問することができるということもあります。

それで今回、AさんとBさんとCさんの空き時間を聞いて、調整して会おうとしているのですが、協力者に急な用が入ることも多く、結果的に誰にも会えなかった時間も多くて、あまり良い例とは言えません……

それでも、それぞれにこの言語調査の意義を理解して、なるべく協力しようとしてくれるので、得がたくありがたい協力者たちです。

こちらも、会えない時間に次の調査の準備をして、濃密な調査ができるよう工夫せねばと思います。

そんな状況下ですが、タウ(道孚)で話されるスタウ語の、新しい方言を始めることができました。
忙しい合間を縫って相手をしてもらっています。

この言語もなかなか音声が複雑な方だと思います。

雑談で、
「チベット語話者から、“おまえたちの言語は、どういうことだ、『ミルク』『はしご』『小麦粉』『種』が4つとも同じじゃないか”って言われるの。あの人たちには同じに聞こえるんだね」
という話を聞きました。
(左から順です↓)

note4wrd.JPG

これは(丁寧に発音してもらったおかげで)良かったのですが、調査する中で、聞く→発音してみる→違うって言われる、を、何度も何度も繰り返す語彙もたくさんあります。
不器用な目と口だけでは追いつかず、目も総動員で、唇の形はどうか、舌は上がっているか下がっているか、協力者の口元を凝視しながら聞きます。

「その発音は違う」「また違う」と何回でもきっちり言ってくれる協力者、これもありがたいことです。
こちらも「もういいよ」とあきらめさせる前にちゃんと真似できるようにならなければ。

成都は発展著しい町で、来るたびに変化しています。
今回は、西南民族大学の門の横にファミマができていました。
一方で、路地の緑は以前と変わらず濃く、しっとりのんびり落ち着いています。

chengdu_famima.jpg

chengdu_green.JPG

今回も、残された期間はあとわずか。


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